あきば医院 寒河江市,寒河江駅 整形外科、内科、外科、皮膚科

新型コロナウイルスのワクチン接種を行っています

*R5/5/8 現在追加ワクチン接種の受付中。

 新型コロナウイルス感染症については、5類感染症への引き下げが行われたところです。従来株~デルタ株と比べ、現在主流のオミクロン株は重症肺炎により急激に悪化することが少なくなり、弱毒化していると言えますが、感染力はより強くなっており、高齢者など持病を持っている方にとっては、感染することにより持病の悪化が惹起されるなど、ひきつづき感染について十分注意が必要であることは言うまでもありません。

 マスクについては個人の判断に委ねるということになりましたが、医療機関では引き続きマスク着用をお願いしているところであり、マスク・手洗い・換気などはこれからも感染予防に有効な手段であると言えます。さらに重症化予防対策として、65歳以上の高齢者へクーポンが配布され順次接種が行われています。

 ワクチン接種についてはWHOより「3回目の接種を終えた重症化リスクのない健康成人については、これ以上の追加接種についてはメリットがない」とのコメントが出されていますが、同時に「重症化リスクのある高齢者やウイルスに暴露される機会の多い医療従事者については、追加接種を勧める」としております。

 接種希望される方は予約の上ワクチン接種をお願いいたします。

 

 接種方法はインフルエンザなどの皮下注射とは異なり、筋肉注射になります。肩の外側縁から3横指ほど下で三角筋に垂直に刺します。筋肉内に注入するため皮下注射よりはかなり深く針を刺すことになりますが、刺入時の軽い痛みの後はそれほど痛みはなかったという感想が多い様です。  

 まだ新しいワクチンと言うことで副反応が心配ですが、時間の経過順に発生する可能性があるのは、①血管迷走神経反射、②アナフィラキシー、③接種部位の免疫反応に付随する症状、④麻痺を伴う神経炎、⑤抗体依存性感染増強などです。接種直後に起こる可能性があるのが血管迷走神経反射です。注射に対する不安や注射の痛みが誘因となって徐脈や血圧低下をきたし、嘔気、眩暈感、顔面蒼白などの症状から失神することがあります。安静して仰向けになれば直ぐに回復します。接種後5分~30分くらいで起こるのがアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー反応です。出現頻度は多くはないものの重篤な症状を呈し、全身の発疹、喘鳴・息苦しさ、腹痛、血圧低下などが起こり、死に至ることもあります。ただ適切な処置を行えば後遺症が残る事はありません。次に注射の翌日くらいに接種部位の腫れや痛み等の局所反応、そして発熱、倦怠感、筋肉痛などの全身症状が起こることがあります。これは頻度的には7割ほどの方に生じる反応で、局所で免疫反応が起こり抗体が作られているという事の証明でもあります。2~3日すれば自然に軽快しますが症状が強い場合は消炎鎮痛剤などで対処することになります。 3~6ヶ月経過して起こる可能性があるのが、麻痺を伴う神経などの炎症で、ギラン・バレー、多発性硬化症、横断性脊椎炎等です。これは頻度は多くないものの後遺症が起こる事になります。最後は抗体依存性感染増強と言われる反応で、中和抗体ではない悪玉抗体ができる事により逆に重症化し易くなったり感染しやすくなったりする現象ですが、これが新型コロナワクチンの接種後に起こるのかは、まだ不明で今後注意してみていく必要があります。

 副反応が心配ではありますが、このワクチンの有効性は非常に高く、ファイザー製ワクチンでは90%以上という驚異的な有効率となっており、接種することで発症を抑えたり、重症化を防ぐ効果が認められています。「感染自体を防ぐ効果があるのか」については不明です。 接種を控える必要があるのは、37.5℃以上の有熱者、明らかに急性の疾患に罹患している人、予防接種によりアナフィラキシーを起こしたことがある人で、その他の人については接種が勧められます。妊婦についての接種についてはデータがなくその安全性は不明ですが、妊婦は重症化するといわれており接種した方が良いと思われます。授乳中の方についても、接種を控えた方が良いという積極的なデータはなく、個人の判断で接種するか否か決定して下さい。

 このワクチンは任意接種で義務ではありません。ワクチンのリスクとベネフィットを各個人で判断した上、できるだけ多くの方が接種していただければと思います。当院では、かかりつけの患者さんを中心に個別接種を行っていきます。